依存症とトラウマの世界的権威であるガポール・マテ先生は映画「トラウマの英知(The Wisdom of Trauma)」の中や、数々のインタビューで
「トラウマはアナタに起きる出来事ではなく、アナタの内部で起こるものです。
(Trauma Is Not What Happens to You, It Is What Happens Inside You )」
とおっしゃっています。
自身の経験を振り返っても、
- 自分の生きづらさに気づく
- 自分の傷つきについて気づく
- 自分が傷ついていたことを認める
一見簡単そうにみえる作業ですが、中々骨の折れる作業。
特に、自分の感じた傷つきを表現する言葉や定義が分からない間は、
「こんなことを思っていいのだろうか?」
「もしかして自分がいけなかったのか?」
「自分が過剰反応しているだけ?」
と感じてしまい、何もケアが出来ずに傷口から血がずっと滴り落ちている状況。
更に、心のどこかできっと時間が解決してくれるはずだと思い放置してみたり。
だけど、アナタにとってトラウマになるような出来事は、命を守るために「感情」「身体」「今、ここ」から自分を切り離してしまうケースが多いのです。
そして、残念ながら何もしないで、時間が勝手に解決してくれるということはなかなかならなかったりするのです。
だからこそ、
アナタが抱えている傷つきやトラウマに気づくきっかけになればと思い、傷つきになっておかしくない状況一覧を作ってみました。
そして、ここで一番伝えたいのは、
自分に傷つきがあるかもって気づいてもらうことで、少しでも、
傷つきによって失われた
「身体」「感情」「心」「自分」、「今・現在」とのつながりを
取り戻していくケアを日々の生活に取り入れていって欲しいということです。
どんなケアをしたらいいのか気になる&知りたい人はこちらの動画講座をどうぞ!
このリストは随時、アップデートしていく予定です。こんなのあるよって場合はこちらまでご連絡いただけると助かります。
ちなみに、場所としては色々な状況が考えられます。
- 家庭内
- 養護施設内
- 学校内
- 職場内
- 塾内
- 街中
- SNS(アプリ、サイト、チャット 等)
また下記に挙げた内容と重複する部分もありますが、逆境的小児期体験(ACE:Adverse Childhood Experiences)を質問票でスコア化し、その後の人生にACEがどれほど影響を与えたのかと調べた有名なFelitti 先生(1998)の研究もあります。(詳しくはこちら)
映画
- 今、父を殺しました -ある虐待少年の叫び-(I just kill my dad、Netflix)
精神的虐待/心理的虐待、精神的なトラウマ (Mental abuse)
- 存在を否定するような言葉(死ね、殺すぞ 等)
- アナタの価値を否定するような言葉(アホ、バカ、マヌケ 等)
- パワハラ(パワーハラスメント)
- アカハラ(アカデミックハラスメント)
映画
- ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-(Britney vs Spears、Netflix)
- 今日もあなたに太陽を〜精神科ナースのダイアリー〜 エピソード1(Daily Dose of Sunshine、Netflix)
性的虐待&トラウマ、セクハラ(Sexual abuse)
- 下ネタ
- 性的な視線で見られる
- ポルノ等を見せられる
- 性的な意図を持って触られる
- (同意がないのに)無理やり触らせられる
- (同意がないのに)無理やり服を脱がされる
- (同意がないのに)無理やり挿入される
- 痴漢
恐怖により思考が停止したり、命を守るために同意せざるえない状況に追い込まれている場合もあるので、同意さえあれば全てOKという訳ではない。小さい年齢のときに性的なトラウマを受けた場合、性に対する認識、理解、意味合いそのものが変わってしまっている場合もある(自身経験より)。
映画、映像
- 本当の僕を教えて(Tell Me Who I Am、Netflix)
- あるアスリートの告発 (Athlete A、 Netflix)
- ユタ大学が制作した「同意」がない性的交渉は暴行に相当するということを訴える動画(ユタ大学、字幕:Chihiro M.)
本
- なぜ私は凍りついたのか: ポリヴェーガル理論で読み解く性暴力と癒し – 2021/12/2
- 生きる勇気と癒す力―性暴力の時代を生きる女性のためのガイドブック – 2013/12/5
ネグレクト(Neglect)
- 自分という存在そのものに対するネグレクト
- 医療ネグレクト
- 感情ネグレクト
- 教育ネグレクト
映画
- 誰も知らない(Netflix)
面前
- 面前DV
- 面前性的虐待
- 面前ネグレクト
- 面前心理的虐待
教育虐待&トラウマ
- 家庭内(過干渉、ネグレクト、押し付け 等)
- 学校・塾(過度な比較、過度なランキングづけ 等)
本
宗教によるトラウマ、洗脳
- カルト
- 2世、3世
- 戒律
- スピリチャルな傷つき
映画
- アンオーソドックス(Unorthodox、Netflix)
- ツインフレームを逃れて(Escaping Twin Flames、Netflix)
いじめ(Bullying)
- 学校
- 職場
- アカハラ(アカデミックハラスメント)
- パワハラ(パワーハラスメント)
アニメ
- 新しい上司はど天然(Netflix)
文化や国の違いによるトラウマ
- 言葉が通じない
- その土地での共通認識事項が分からない
- どこにも属しきらないという言葉にできない悲しみや喪失感
- 自分のアイデンティティの土台が複数箇所にあり自分で確立していかないといけない
世代間トラウマ(Intergenerational trauma)
- 戦争
- 奴隷
- 難民
喪失
- 両親の離婚
- 親から切り離される
- 親を失う
- 子どもを失う
- 大切な人を失う
- 仕事を失う
- 大切なものを失う
- 自分の基盤を失う(引越し等)
その他
- 過保護
- 人身売買
- 経済的虐待
- ヤングケアラー(リンク、子ども家庭庁)
- ガスライティング(リンク、 Wikipedia)
- 医療トラウマ (命を助ける医療行為であったとしても、それを理解できない年齢の子供にとっては手足を拘束されたり、痛みや苦痛からトラウマになるケースがある)
- 自己愛的虐待(Narcissistic abuse)
- ずっと実の親だと思っていた人が、実の親ではなかった(NPE : Not Parent Expected)
- 我々の父親(Our Father, Netflix)
- 機能不全家族
- シェイムレス 俺たちに恥はない(Shameless, Netflix)
- 日本社会で女性/男性として生きること
- ハンナ・ギャズビーのナネット(Hannah Gadsby: Nanette, Netflix)
(加害者のやり方を内在化して)今度は自分が加害者として
- 犯罪行為
- 性的虐待
- 精神的虐待
- 身体的虐待
- ネグレクト